社会の仕組み economic fabric of society 2003 12 19
政府の税制改革について、
昨日の報道では、増税と言う報道が多かったですが、
これは、庶民の立場に立脚した見方からすれば、そうなるのです。
しかし、資本家や企業家から見れば、
物足りないかもしれませんが、減税に見えるのです。
減税を予感させるものがあるのです。
このように、ニュースを見る立場によって、
見方が違ってくるのです。
さて、最近の一連の政策を見てみると、
今後の社会が、どうなっていくのか見えてきます。
それは、資本主義の帰結である階級社会ができてくるのです。
小泉政権は、そのことを意識していないかもしれませんが、
結果的に、そうなるのです。
その小泉政権の支持率が高いことに、
多くの政治評論家が疑問を持っていますが、
実は、こういうことかもしれません。
日本は、最近まで、全員、中流階級だったですが、
これは、日本の歴史から言うと、めずらしいことなのです。
江戸時代は、士農工商という階級社会でしたし、
明治時代は、伯爵や男爵という貴族がいたはずです。
全員、中流階級という社会は、
今までの日本の歴史にはなかったのです。
そういうわけで、潜在意識のなかで、
階級社会を志向していると言えるのです。
さて、階級社会ができてしまったら、どうすべきか。
これは、規制緩和を推進する必要があるのです。
規制は、成功者を守るのです。
規制は、新規参入者を防ぐのです。
だから、規制緩和を推進しないと、階級社会が固定化してしまいます。
さて、全員が中流階級という道は、あったのです。
しかし、その道を、みんなで、つぶしてしまいました。
政治家、マスコミ、庶民と、みんなで、バブル叩きをしました。
その結果、バブル経済どころか、日本経済まで破壊してしまいました。
外国で言うところの株価とは、日本では、土地の値段だったのです。
確かに、バブル経済の時は、土地の値段が上がって、
マイホームが簡単に買えなくなった。
だから土地の値段は下げろという議論でしたが、
これは、物事の一面しか見ていなかったのです。
あの当時でも、大部分の日本人は、
マイホームという土地を持っていたはずです。
しかも、ローンで土地を買っていたはずです。
このような状況で、土地の値段を下げる政策を実施すると、
ローンで買った土地の価値も減少します。
つまり、ローンでマイホームを買っていた人の担保能力が減少してしまうのです。
土地の値段が上がるのは悪いことだと考えた人もいたのでしょうが、
ローンでマイホームを買っていた人の場合、
土地の値段が上がれば、担保能力も向上したのです。
このように、経済を知らないで、政策を実施すると、多くの問題を起すのです。
さて、階級社会の例を探してみましょう。
アメリカは、階級社会ですが、典型的な階級社会ではありません。
典型的な階級社会というと、イギリスが、わかりやすいでしょう。
昔は、イギリスでは、2つの階級がありました。
王族と貴族、それ以外の国民です。
しかし、皆さんも、ご存じのとおり、産業革命によって、
新しい階級ができました。
この階級は、資本家や企業家だったかもしれません。
こうして、3つの階級ができたのです。
その後、時代の流れともに、階級は、変化してきました。
今は、どうなったか、詳しく知りませんが、推定すると、こうかもしれません。
王族と貴族、土地などの資産所有者という階級。
医者、弁護士、ビジネスマン(企業家や投資家に近いかもしれません)という階級。
その他の労働者階級。
日本で、ヒットしたハリーポッターという映画をよく見ると、
階級社会が少し見えます。
魔法に夢中になっていると、わかりませんが、
よく物語の背景を観察すると、階級社会の様子がわかります。